[CLIL教育まとめ]今注目のCLIL教育ってどんな教育?

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今、CLIL教育という学び方が新常識として定着しつつあります。

CLIL教育とは、いったいどんな教育方法なのでしょうか?

おうち英語でも取り入れられるものなのかどうか、まとめてみました。

今注目のCLIL教育ってどんな教育?

「英語を」学ぶではなく「英語で」学ぶCLILという考え方。

CLIL(Content and Language Integrated Learning:クリル)とは、1994年にフィンランドの大学教授David Marsh により提唱された言語教育の方法論のこと。

その後、急速にヨーロッパ各国の外国語教育やバイリンガル・マルチリンガル教育の現場で普及していきました。

日本語でも「内容言語統合型学習」と訳され、急速に普及してきています。

これは、理科や社会などの教科学習と英語の語学学習を統合したアプローチ。

教科内容を題材を英語で行うことで、英語の4技能を高めることができ、日本でも効果があるものと期待されています。

もっちん
もっちん

CLILの発祥の地フィンランドでは、高校3年生ではほとんどの子ども達が英語を流暢に話せるようになっているとか。でも、フィンランド語は英語とは発音も文法体系も違う言語で、日本語と英語と同じくらいかけ離れた言語だと言われています。

フィンランドでは、テレビで放映されているアニメなど、ニュース以外の番組は英語で放送されており、子ども達はそれを観て育っていくんだそうです。

CLILの特徴

CLILでは「4つのC」と呼ばれるものを重要視しています。
それが、以下の4つです。

Content=内容、トピック
Communication=読む、書く、聞く、話すといった言語スキルや言語知識
Cognition=考える力、認知力
Community / Culture=共同の学び、多文化・国際理解

効果的にCLILをおこなうために、授業が組み立てられる必要があります。

イマージョン教育との違いって?

イマージョン教育は、1960年代にカナダで始まりました。

「 Immersion:浸す」というところからもわかるように、その言葉に浸りきった状態(イマージョン)で他の教科を学ぶことによる言語獲得を目指します。先生はネイティブの先生です。

それに対してCLIL教育は、理科や算数といった教科(Content)学習と、外国語(Language)学習を組み合わせた言語習得法のことで、科目教育と語学教育の両方の習得(教科学習:言語学習=1:1)を目指します。先生はネイティブ&非ネイティブ

母国語と外国語を両方使いながら授業を進めるのが主流なようです。

CLILは新しい教育法というわけではありませんが、教育効果を引き出すための教育法が体系化されているという点も、イマージョン教育との違いです。

もう一つ同じジャンルの教育法で、アメリカ発祥の内容重視指導法(Content-based Instruction)があります。

こちらは、イマージョン教育によく似ています。幼児期から始まり、教科を外国語で学習。聞くだけでなく、外国語で意見を言う、議論する授業を通じて、良質なインプットとアウトプットを目指しています。

CLILはどこで実践されている?公立の学校では?

公立の小学校では、教師への負担も大きく、教師の英語力が十分でない場合がある、などの理由から導入に至っていないようで、私立のインターナショナルスクール等、特殊な学校、英会話教室に通うしかないのが現状です。

CLILについて、英語教育本ではこのように紹介されています。

英語教育本で散見するCLIL。

著者たちがどのように認識していらっしゃるのか、まとめてみました。

『世界最高の子ども英語』

世界トップクラスの高等教育機関(アイヴィーリーグ校の一つ)、イェール大学で比較政治経済学の元研究者。日本語の英語力の低さに危機感を感じ、日本に戻って英語塾を開いた方です。

身につけた英語を使って、知的なインプット/アウトプットの機会をどれだけ継続して学習に取り込めるかが重要になってきます。

CLIL(Content and Language Integrated Learning)は、まさにこの発想をベースにした学習アプローチです。ひととおりの英語力が身についたのなら、いつまでも英語の「素振り」ばかりをしているのはムダです。実際の打席に立って、レベルの高い英語コンテンツに勝負を挑むべきです。

Stage8英語で「知性と教養」を磨く(age15-18) ―CLILで「語彙力」は磨かれ続ける

小学校3年生からは「社会」や「理科」の授業も始まりますから、サイエンスの世界やドキュメンタリーのコンテンツに興味を持つ子も出てくるでしょう。すでに学んだことを端緒にしながら、英語のコンテンツを選んでいくこともおすすめです。
(中略)
J PREPでも、理科や社会科の学習と英語授業を掛け合わせたCLIL指導を行っています。

Hint2 英語でサイエンス!初めてのCLIL

こちらの塾では、率先してCLIL教育を導入していらっしゃることがわかります。

10万組の親子が学んだ子どもの英語「超効率」勉強法

児童英語研究所パルキッズの所長をしていらっしゃる方の本。

子どもと家でどのように学んでいったらいいか、どう考えたらいいのか、幼児の特性も踏まえてわかりやすく書かれています。

かけ流しは小学校何年生くらいまでいけるのか、そのあとどのような学習にシフトしていけばいいかの道筋が書かれていて参考になった本です。

こちらの本では、CLIL教育についてはこのように捉えていらっしゃいました。

また、中学・高校の英語の授業も原則的に英語で行われる等、文法・対訳式ばかりではなく、CLIL(内容統合型学習)という考え方を広げて、英語の直感的な使用を盛んに取り入れるようになっています。…(中略)…

留学生や帰国子女のように、「英語漬け」にすることで獲得を促すことから、私はこれを「直接法」と読んでいます。そして、直接法こそが英語の獲得を促す「入力」を可能にする方法なのです。

第2章子どもの英語「超効率」勉強法・基本編より

「英語漬け」なので、CLILについて、というよりは「英語で学ぶ」ということについて、ですね。

『世界で学べ』

日本はもうすでに先進国ではなく後進国、教育も後進国なんですよ!と警笛をならしている本です。

今注目されている大学ミネルバ大学のような体系を持った学びの体系を目指した通信制高校のサポート校という位置づけの、インフィニティ国際学園の学院長が著者です。

1年間に4か国を旅して、各国に約2か月滞在。その国の歴史、社会、政治などをテーマにしたプロジェクト学習を実施するという体系をとっていて、学びがグローバル。

それはもう日本語じゃないですよね。日本にも新しい風が入ってきているのを感じます。

その学院長の捉え方。

世界で通用する人材になるために最も必要とされるのは「英語を学ぶ」のではなく、「英語で学ぶ」ことです。(中略)ヒットした情報の中身は玉石混淆ですから、精査する能力が求められるようになったことも事実ですが、これからの世界で生き残るためには圧倒的な情報量のインプットが必要なので、何をおいても、まずは英語で学ぶことが不可欠だと言えます。

Chapter2 世界に通用する人材の条件①英語で学ぶ、議論する、説得する

こちらも「英語で学ぶ」ということについてのコメント。

『子どもの未来を広げる「おやこえいご」』

名古屋市で幼児から小学生までの英語教室「おやこえいごくらぶ」を運営している著者が、おうち英語をどうやっていったらいいか、詳しく書いていらっしゃいます。

動画を有効に活用することを薦めており、現代っ子は他にもたくさんやることがあって、たくさん見せたとしても1日2時間くらいだから、そんなに見せ過ぎを気にすることはない、というようなコメントが印象に残っています。

英語教育法の一つに、CLIL(Content and Language Integrated Learning:クリル)と呼ばれるものがあります。これは、教科学習と言語学習を組み合わせる言語指導法のことで、近年ヨーロッパで広がっています。このCLILを用いた英語教育法が日本にも広がりつつあり、英語教育を向上させるものとして期待されています。ですから、「英語で◯◯」といった活動は益々増えてくるでしょう。これ自体が悪い訳ではありません。ただ、重要なのは英語とその活動の内容の割合です。

Chapter4 幼児英語教室にいこう いい英語教室の基準3 楽しいレッスンで、しかも学びがあること

クラフト教室ではなく英語教室なので、クラフトのクラスであっても、クラフトに掛ける時間は5分以内だそうです。

確かに、クラフトに夢中で黙っている時間が多かったら、英語学習が全然進みません。

英語教室を選ぶ際の参考になりました。

では実際に、教科別にどう「英語で」学んでいくのか?まとめです。

まとめ

どの方も、当たり前に「英語で学ぶ」というスタンスであることがわかります。

CLILは教科と言語習得の割合が1:1ということが重要。

とすると、他教科かつ言語習得のことも考えられているテキストかどうかということや、英語のレッスンで他教科を扱う時の時間の割合をみることは、いい教室かどうかを判断する一つの基準になるのではないかと思いました!

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