2020年3月に発売されているこちらの本。
Amazonでおすすめに出てきていて、レビューも高かったので読んでみました。
教育への熱い気持ちが伝わってくる素敵な本で、今注目の教育方法は、大変興味深く読むことが出来、理解できました。
学校の先生、小学生のお子さんをお持ちの親御さんにぜひおすすめしたい本でしたので、レビューを書いてみたいと思います!
著者 正頭英和さんってこんな人。
著者の正頭さんは、立命館小学校にて、英語科を教えている先生であり、ICT教育部長でもあります。
「Global Teacher Prize 2019 (グローバル・ティーチャー賞)」で、日本人の小学校教員初!トップ10に選ばれた方です。
グローバルティーチャー賞は、あまり日本では聞かない名前ではありますが、世界では教育への注目度は高く、教育界のノーベル賞と言われているそう。
なんと、応募総数は、世界約150ヵ国・約3万人!!!
その3万人の中のトップ10に日本人で初めて選ばれたというのだから、とてもすごいことであることがわかります。
いったいどんなことを考え、どんな授業をしていらっしゃるのでしょうか?
この本でこんなことがわかる!
- 自動翻訳機がある今、英語は必要か?
- グローバル・ティーチャー賞を受賞した注目の英語教育
- 家庭での英語の学び方
- AI時代に親としてどう思考をシフトチェンジしていくべきなのか?
こんな人におすすめ
世界で認められた英語教育を知りたい方
グローバルティーチャー賞では、小学校で行っている英語教育が評価されたようです。
正頭さんが小学校教育で大事にしているのは
- 「カリキュラム・マネジメント」
- 「プログラミング教育」
- 「英語教育」
の三本柱。それらが一体化された授業を行っているそうです。
日本はICT教育後進国だとおっしゃっています。
※ICTとは=パソコンやタブレット端末、インターネットなどの情報通信技術を活用した教育手法のこと。「ICT」は、Information and Communication Technology の頭文字をとった言葉で、日本語の意味は「情報通信技術」です。
そのICT教育後進国の日本でどのような授業が行われているのか、とても興味深いです。
自動翻訳があるから、英語を学んでいくべきか迷っている方
同時自動翻訳機がもうすでに手に入る今の時代。
それでも英語を学ぶことは必要なのか?の問いに対し、
はっきり、英語は学ぶべきだとおっしゃっています。
英語を学んでいくこと自体が、英語を習得するだけでなく、子どもの成長によい作用をもたらすとのこと。
これからの時代はに必要なのは「知識」ではなく「経験」であり、
その経験を増やす行動力をブーストするのが英語なんだそう。
ウェブセミナーでお話を伺った際、翻訳サービスDeepLについてご紹介されていました。「すごい翻訳機が出ている時代は、未来ではなく、もう、今なんです!」とおっしゃっていました。
本物の英語力+αの力を身につけてほしい小学生の親
英語を身につけることはスタートラインだということ。
この本のタイトルは「英語の教科書」ですが、書かれているのは英語教育に限ったことではありません。
家庭でどのように寄り添っていったらいいのか、サポートしていったらいいのか悩んでいらっしゃるお父さんお母さんにも参考になると思います。
また、子どもの学びだけではなく、親として大人としてどういう姿勢であるべきなのかも、参考になります。
20世紀型の教育から、これからの学び方へアップデートしたい方。
今まで受けてきた教育は変わっていくと言われています。
それは、世界的にもICT教育がスタンダードになっていること、
テクノロジーの進化により、「知識」重視から「経験」重視に変わっていくということです。
これからの小学校英語教科化が、小学校の学びが、どういうことになっていくのか、
どのレベルを目指せばいいのか、
そして英語力を身につけるには、どのような授業や親としての寄り添いをしていったらいいか、など記載されていました。
知識偏重の学び方をしていたら、きっと生き残れない世の中になっていきそうです。
もちろん知識も必要ですが、
より子どもにとって本物の力が試される世の中になっていきそうですし、より経験と行動力が必要になっていくことがわかります。
受験の評価方法も変わっていきます。
頑張れ、子ども達…
こんなところが参考になりました。
学歴の価値は下がり、勉強の価値は上がる。
個性(レアキャラ)が求められる時代になっていくし、必ずしも学歴が必要ではなくなっていく。
大学へ行かないという選択をする人も増えていく。
より「あなたはどんな人間か」が問われる時代になっていくそうです。
個の力をいかにして磨いていくかが、家庭でも肝になっていくでしょう。
ずっとLEGOをしているなど子どもが夢中になりすぎていると、ご飯やお風呂の時間だよ、などととついついブレーキをかけてしまいがちですが、なるべく見守ってあげられる姿勢でいたいなと思いました。
でもバランスが難しい!
一教師としての熱い気持ちが伝わってくる
英語教育はどういうことが必要だ!とか、ICT教育をするのはこんなやり方だよ、というだけではなく、今の時代の将来、子どもたちはどんな人物像を目指していくべきなのか、という大前提から書かれています。
子どもたちが生きる世界はどんな世界なのか、AI時代がどんな時代といわれているのか垣間見られます。
その中で、どんな仕事が残っていくのか、どんな価値観が大事になっていくのか、実際に生きる子どもたちはどんな力が必要になってくるのか、どういう人間に育ってもらいたいのか、ゲームによる姿勢や視力の問題まで、AI時代に輝く子どもの姿と、その育て方が書かれています。
英語の知識を教えるだけではない、視野の広さを感じました。
問題が少ない世の中になるなんて、ある意味幸せなことなんだろうけれど、超飽和時代が到来するんだなあ…
ゲームに対する考え方。
これから嫌でもおそらく入ってくるだろう、ゲームとの付き合い方の一例を見られます。
小学校の授業にゲーム(マインクラフト)を取り入れていらっしゃるからです。
できる限りゲームはさせたくない、子どもがゲームをやりたいと言ったらどうしようととお悩みの親御さんも、多数いらっしゃるのではないでしょうか?
我が家では、幼児期はテレビゲームには触れさせず、できる限りアプリもやらせていませんでした。
長男が小学生になり、これからのゲームとの付き合い方についてどうするかぼんやり悩んでいたところでしたが、本を読んで、排除ではなくうまく取り入れる方向で考えてみることにしました。
必然的に次男坊も触れてしまうことになりますし、時間制限あり、ゲームがわかる父親と一緒にできる時(=土日)という制限付きで、まだ始めてから数か月。
正頭さんの行っていらっしゃる「カリキュラム・マネジメント」×「プログラミング教育」×「英語教育」という3つの柱を家庭でも進めていくのは難しいかと思いますが、
「英語×プログラミング」でなんとか進められないか、夫と私で試行錯誤しながら進めています。
今のところは、やはりゲームには前向きで、「マインクラフトをやりたいから宿題と課題を終わらせる!」と、ゲームがあることによって、他の部分へも意欲的に働いていると思います。
まとめ
英語に限らず、これからの時代の学び方や親としての在り方についてが書かれている本です。
英語の学び方や方法論にも触れることができますが、これからの時代子どもをどのように育てていくべきかから述べられていますので、教育者や親御さんなど、子どもにかかわる方にぜひ読んでいただきたいおすすめ本です。
気になる方はぜひチェックしてみてください!
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